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2025年10月

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Oct092025

カナダ・オンタリオ州、犬と猫を対象にした動物実験を禁止へ

カナダ・オンタリオ州、犬と猫を対象にした動物実験を禁止へ
【きっかけは内部告発と調査報道】

2025年8月25日、カナダ・オンタリオ州のダグ・フォード州首相は、州内で犬と猫を実験に使用することを禁止すると発表しました。「ペットを実験に使う時代は終わりました。理由はシンプルで、あまりにも残酷で、到底許容できないことだからです」

この決定は、動物法の立法・訴訟・政策提言を行うNPOアニマル・ジャスティス(Animal Justice Canada) に寄せられた内部告発がきっかけで、実現したものです。

告発を受けた同団体は、今年初め、トロント大学の調査報道記者と連携し、子犬が侵襲的なテストを受けたのちに殺され、臓器が人間の心臓研究に使用されていた実態を突き止めて公表しました。

これを受け、研究所は州政府との協議を経て、犬を使ったすべての実験を中止し、自ら「心臓医療に大きな進展をもたらしてきた」とする研究活動を停止しました。これまでの実験について同病院は、「カナダ保健省および米国食品医薬品局(FDA)の規制要件に基づき承認を得て行なってきたもので、科学的に有効な代替手段がない場合に限って実施していた」と説明しています。

フォード首相は、「写真やメッセージを送ってくれた方達に感謝したい。真に勇気ある行動です」と、告発者らへの謝意を示しました。

そして、動物実験を続ける関係者に向け、いつまでも隠蔽できるものではなく、「今のうちに自ら申し出るよう」警告しました。

長年、動物実験の廃止を訴えてきたアニマル・ジャスティスのカミーユ・ラブチャック事務局長、この決定を歓迎しつつ、「これは救済の始まりにすぎません。現在も保護施設にいる迷子や捨てられた犬や猫が研究者に売られる仕組みが残っています。実験に使われた動物が確実に里親に迎えられるよう、法整備が必要です」と語りました。

Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo.

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